- 日時
- 2017年09月15日 16:00 - 2017年09月15日 17:00
- 場所
- 早稲田大学西早稲田キャンパス 63号館4階 63-420
講演者
成田宏秋(熊本大学大学院先端科学研究部)
講演題目
保型形式論における具体的構成を軸とした研究-Langlands哲学と古典理論の間(ハザマ)で-
講演概要
保型形式とは複素上半平面などに代表されるRiemann対称空間上の実解析的関数で離散群に関する「保型性」という豊富な対称性を持つものである。一方、これは簡約代数群(一般線形群など)の「アデール群」上の関数としても定義され、それが生成するアデール群の表現を考えることで「保型表現」という表現論的取り扱いを保型形式論に持ち込むことができる。HeckeやSiegel以来の古典的保型形式論は、主に正則関数として与えられる保型形式についてその数論的性質を明示的な形で分析してきたと言えるが、Langlands哲学に代表される表現論的扱いは、整数論の基本定理である類体論を「非可換化する」という文脈で保型形式を自然に浮かび上がらせるものと言える。
本講演では、このような背景の下、関数としての保型形式に注目することに軸足を置きつつも保型表現論的視点を織り交ぜるという講演者の研究スタイルについて概説し、最近得た非正則実解析的保型形式及び保型表現の具体的構成に関する結果を紹介する。
–15:30-16:00は 談話会場所でtea timeです–